【第1回】退職金制度って何?74.9%の中小企業が導入している理由を調べてみた

はじめまして!人事部新人のユキです

人事部に配属されて1ヶ月。まだ右も左もわからない新人のユキです!

今朝、いつものように出社して、メールチェックしてたら、社長が突然人事部にやってきました。

「ユキさん、ちょっといいかな?」

まだ社長と直接話したことなんてほとんどないから、めちゃくちゃ緊張…。

「最近、優秀な若手が立て続けに辞めちゃってね。うちも退職金制度を真剣に考えた方がいいと思うんだ。調べてもらえる?」

正直、頭の中は「???」でいっぱい。退職金制度って、定年退職したらもらえるお金のこと…?それくらいの知識しかない私。

「退職金制度って何?そもそも何も知らない…」

でも「わかりました!調べてみます!」って元気よく返事しちゃいました(汗)

社長が帰った後、すぐにネットで検索開始。そしたら、思った以上に奥が深い世界が広がってました。

というわけで、今回は退職金制度について一から調べたことをまとめてみます。同じように「退職金制度って何?」って思ってる人の参考になれば嬉しいです♪

退職金制度とは?中小企業でも導入すべき福利厚生の基本

まず、そもそも退職金制度って何なのか、基本から調べてみました。

退職金制度の定義と仕組み

調べてみると、退職金制度は「従業員が退職する際に、会社から支払われる金銭的な給付制度」のこと。

へー、定年退職だけじゃなくて、自己都合で辞める場合でももらえることが多いんですね!知らなかった…。

でも、ここで驚いたのが、退職金制度って法律で義務付けられているわけじゃないってこと!

労働基準法を調べてみたら、退職金については「就業規則に定めがある場合は支払わなければならない」とあるだけ。つまり、会社が独自に作る制度なんです。

「え、じゃあ退職金がない会社もあるの?」

はい、あるんです。実際、私の友達の会社には退職金制度がないところも…。

退職金制度の歴史と背景

ちょっと歴史も調べてみたら、日本の退職金制度は江戸時代の「のれん分け」が起源という説もあるそう。

現代の形になったのは高度経済成長期。終身雇用と年功序列の日本型雇用システムの一部として定着したんだって。

「長く勤めてくれた従業員への感謝」と「老後の生活保障」という2つの意味があるんだね。

なるほど、だから日本では当たり前のように感じるけど、海外では退職金制度がない国も多いんだ!

中小企業の退職金制度導入率|2024年最新データ

次に気になったのが、実際どのくらいの会社が退職金制度を導入してるのか。

厚生労働省のデータを見てびっくり!

📊 退職金制度の導入率(令和5年調査)

企業規模導入率
1,000人以上90.1%
300~999人88.8%
100~299人84.7%
30~99人70.1%

出典: 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」(2023年)

全体では74.9%の企業が導入。中小企業(30~99人)でも70.1%!約7割が導入してるんだ。

「えー!中小企業でも7割が導入してるの!?うちの会社、遅れてる…?」

業界別の導入状況

さらに詳しく調べてみると、業界によってもかなり差があることが判明。

業界別退職金制度導入率(主要業界)

業界導入率
複合サービス事業97.9%
金融業,保険業92.8%
製造業85.6%
情報通信業74.6%
宿泊業,飲食サービス業42.2%

出典: 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」(2023年)

複合サービス事業が97.9%と最も高く、宿泊業・飲食サービス業が42.2%と最も低い結果に。IT系の情報通信業は74.6%で、うちの会社もそろそろ導入を検討すべきタイミングなのかも…。

なぜ退職金制度を導入するのか?中小企業の3つの導入理由

社長がなぜ今、退職金制度を考え始めたのか気になって、お昼休みにもう一度聞いてみました。

「実はね、先月また一人、優秀なエンジニアが辞めちゃったんだ。転職先を聞いたら、『退職金制度もしっかりしてるし、将来が安心』って言われてさ…」

社長の表情が少し寂しそう…。

「採用面接でも『退職金制度はありますか?』って聞かれることが増えてきた。特に家族持ちの人からは必ず聞かれるんだ」

なるほど!そこで、退職金制度を導入する理由について詳しく調べてみました。

人材定着・採用力強化・従業員満足度向上のメリット

調査データを見ると、企業が退職金制度を導入する理由トップ3は、

  1. 人材の定着効果(離職防止)
    • ・長期勤続へのインセンティブ
    • ・転職を思いとどまらせる効果
    • ・帰属意識の向上
  2. 採用力の強化(福利厚生アピール)
    • ・求職者への訴求力
    • ・競合他社との差別化
    • ・安定企業のイメージ
  1. 従業員のモチベーション向上
    • ・将来への安心感
    • ・会社への信頼感
    • ・働きがいの向上

特に「人材の定着」効果は大きいみたい。確かに、退職金って勤続年数が長いほど増えるから、「もう少し頑張ろう」って思いますよね。

これ以上詳しいことは、今度先輩に聞いてみようかな。きっと離職率との関係とか、もっと詳しく教えてくれるはず!

退職金制度の種類|DB・DC・中退共・退職一時金の違い

「退職金制度を作ろう!」と思っても、実はいろんな種類があることが判明。

これがまた複雑で…。でも、頑張って整理してみました!

4つの主要な退職金制度を比較

1. 退職一時金制度

最もシンプルな制度。退職時に一括でドーン!と支払う方式。

メリットデメリット
・仕組みがシンプルで分かりやすい
・会社が直接管理するので柔軟な運用が可能
・従業員にとってもイメージしやすい
・会社の資金繰りへの影響が大きい
・退職給付債務の管理が必要
・積立不足のリスク

うちの会社の規模だと、一度に大きな支出があると資金繰りが心配かも…。

2. 確定給付企業年金(DB)

将来もらえる金額があらかじめ決まっている制度。

メリットデメリット
・従業員は将来の受取額が分かって安心
・年金形式でも一時金形式でも受け取れる
・税制優遇がある
・運用リスクは会社が負担
・積立不足が発生する可能性
・管理コストが高い

大企業向けかな?と思ったけど、最近は中小企業向けのプランもあるらしい!

3. 確定拠出年金(DC・401k)

会社が掛金を拠出して、運用は従業員個人が行う制度。

メリットデメリット
・会社の追加負担リスクがない
・従業員が自分で運用方法を選べる
・ポータビリティ(転職時の持ち運び)がある
・運用リスクは従業員が負担
・投資教育が必要
・60歳まで原則引き出せない

これ、最近増えてるらしい!特に外資系やIT企業で人気みたい。

4. 中小企業退職金共済(中退共)

国が作った中小企業のための退職金制度。

メリットデメリット
・新規加入時に国の助成がある
・管理は中退共にお任せ
・掛金は全額損金算入可能
・従業員数や資本金に制限がある
・掛金の上限がある(月額3万円)
・懲戒解雇でも減額できない
・運用利回りが低い場合がある

助成金があるのは魅力的だけど、制約も多いみたい。

YUKINつみたてDBプランという選択肢

調べていたら、「YUKINつみたてDBプラン」という面白い制度も発見。

確定給付企業年金(DB)なのに、月額1,000円から始められるんだって!中小企業でも導入しやすいように設計されてるみたい。

これ、詳しく調べる価値ありそう…メモメモ。

退職金の相場|中小企業の平均退職金額はいくら?

制度の種類はわかったけど、実際いくらくらいもらえるものなの?

気になる金額を調べてみました。

勤続年数別・学歴別の退職金相場データ

📊 平均退職金額(勤続20年以上・定年退職)

学歴平均退職金額
大学・大学院卒(管理・事務・技術職)1,896万円
高校卒(管理・事務・技術職)1,682万円
高校卒(現業職)1,183万円

出典: 中央労働委員会「令和5年賃金事情等総合調査」(2024年)

えー!そんなにもらえるの!?1,896万円って、新卒の年収の5年分以上じゃない!

でも、これは大企業も含めた平均。中小企業だけで見ると…

企業規模別の退職金相場

中小企業のモデル退職金(東京都調査)

東京都の調査によると、都内中小企業(10-299人)のモデル退職金は:

学歴モデル退職金額(定年)
大学卒1,149.5万円
高専・短大卒992.0万円
高校卒974.1万円

出典:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」(2024年)

なるほど、中小企業だと1,000万円前後が相場なんだ。それでも大きな金額ですよね!

勤続年数による退職金の増加

勤続年数でどのくらい変わるのかも気になります。

一般的に、退職金は勤続年数が長いほど大幅に増加する仕組みになっています。例えば、勤続3年だと少額でも、10年、20年、30年と長く勤めるほど退職金額は大きく増えていきます。

これが長期勤続のインセンティブになるんですね。「あと数年頑張れば退職金が増える」と思うと、簡単には辞められない。会社にとっても従業員にとっても、お互いにメリットがある仕組みなんだなって思いました。

退職金制度導入の費用と節税効果

ここで気になるのが、退職金制度を導入するとどのくらいコストがかかるのか。

経理部のベテランさんに聞いてみたら、「節税効果もあるから、実質的な負担は思ったより少ないよ」とのこと。

詳しく教えてもらいました!

導入・運用コストの実際

退職金制度のコストは制度によって大きく異なります。

一般的なコストの目安:

  1. 初期導入コスト>
    • 制度設計費用:30-100万円程度規程作成費用:20-50万円程度システム導入費:0-200万円(規模による)
    ※既存のパッケージ制度を利用する場合は、初期コストを大幅に抑えられます
  2. 毎月の掛金>
    • 給与の3-5%程度が一般的従業員一人あたり月額5,000-30,000円
    ※最近は月額1,000円から始められる制度もあるらしい
  3. 運用管理コスト>
    • 年間10-50万円程度(制度による)

経理部のベテランさんによると、「制度選びが重要だよ。初期費用も掛金も、ピンキリだから」とのこと。

なるほど、どの制度を選ぶかで全然違うんだ。うちの会社の規模に合った制度を探さないと。

法人税の節税効果

ここがポイント!退職金の掛金は全額損金算入できるんです。

  • 例えば:従業員30人、一人月額1万円の掛金の場合
  • 年間掛金:30人 × 1万円 × 12ヶ月 = 360万円
  • 法人税率30%なら、節税額は約108万円!

実質的な負担は360万円 – 108万円 = 252万円になるんですね。

これは大きい!社長に報告しなきゃ。

退職金制度導入のポイント|人事1ヶ月目の学び

今日一日かけて退職金制度について調べてみて、思った以上に奥が深いことがわかりました。

中小企業が押さえるべき退職金制度の基礎知識

今日学んだ重要ポイントをまとめると、

  • ✅退職金制度は法的義務ではなく、会社が独自に作る制度
  • ✅全体の74.9%、中小企業でも約70%が導入している
  • ✅人材定着や採用力強化が主な目的
  • ✅DB、DC、中退共、退職一時金など、いろんな種類がある
  • ✅中小企業の平均退職金は1,000万円前後
  • ✅掛金は全額損金算入で節税効果あり

退職金制度導入で期待できる効果

正直、朝の時点では「退職金なんてまだまだ先の話」って思ってました。

でも調べてみて、退職金制度は単なる「辞める時のお金」じゃなくて、会社の人材戦略の重要な柱なんだってことがよくわかりました。

「退職金制度って、会社の人材戦略の重要な柱なんだ!」

特に印象的だったのは、

  1. 採用での差別化: 「退職金制度あります」って言えるだけで、求職者の反応が違うらしい
  2. 離職率の改善: 長期勤続のインセンティブになる
  3. 従業員の安心感: 将来が見える会社で働きたいって気持ち、すごくわかる

私自身の気づき

人事部に配属されて1ヶ月。正直、まだまだわからないことだらけです。

でも今日、退職金制度について調べて、人事の仕事の奥深さを感じました。

「従業員の今と未来を支える」

それが人事の仕事なんだなって。

退職金制度は、まさにその象徴的な制度。従業員が安心して長く働ける環境を作ることが、結果的に会社の成長にもつながる。

うーん、もっと詳しく知りたい!

まとめ:中小企業の退職金制度導入は人材戦略の要

社長から「退職金制度を検討したい」と言われて始まった今日の調査。

朝は「退職金制度って何?」状態だった私も、夕方にはかなり詳しくなれました(自画自賛♪)。

でも、まだまだ知らないことだらけ。特に、

  • ・うちの会社(IT企業、従業員150人)にはどの制度が最適?
  • ・実際の導入手順は?
  • ・従業員への説明はどうする?
  • ・他社の成功事例は?

こういった実務的なことをもっと勉強しないと!

「もっと詳しく知りたい!明日は先輩に相談してみよう」

明日は、人事部の先輩に相談してみようと思います。きっと実践的なアドバイスをもらえるはず。

人事1ヶ月目、まだまだ新人だけど、少しずつ成長していきたいと思います!

今日調べたことを資料にまとめて、明日社長に報告しよう。きっと「よく調べたね」って言ってもらえるはず(期待)。

それにしても、社長が言ってた「優秀な若手が辞めちゃう」って話、気になるなぁ…。退職金制度と関係あるのかな?

プロフィール

名前: ユキ(YUKI)
年齢: 24歳(第1回スタート時)
所属: IT企業 人事部(従業員150名規模)

中小企業の人事担当者として、従業員の幸せと会社の成長を両立させる制度づくりに挑戦中


【ご注意】

本記事は、中小企業の人事担当者「ユキ」の成長を描いたフィクションです。

登場する企業名、人物、具体的な数値変化の事例などは、説明をわかりやすくするための創作です。

ただし、以下の情報は実際のデータに基づいています:

  • ・厚生労働省等の公的機関の統計データ
  • ・退職金制度の仕組みや種類
  • ・法令・税制に関する情報

実際の効果は企業の規模、業種、地域、その他の要因により異なります。

退職金制度の導入を検討される際は、専門家にご相談の上、自社の状況に応じた制度設計を行ってください。

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よくあるご質問

  • 退職金制度は必ず導入しないといけないの?

    法的義務はありません。会社が任意で導入する制度です。
    ただし、同規模の企業の約70%が導入している現状を考えると、人材確保の観点から検討する価値は高いといえます。

  • 小さい会社でも退職金制度は作れる?

    従業員数名の会社でも導入可能です。
    中退共なら従業員1名から加入でき、国の助成金も受けられます。
    YUKINつみたてDBプランなら月額1,000円から始められるので、小規模企業でも無理なく導入できます。

  • 退職金制度の導入にはどのくらい時間がかかる?

    制度設計から導入まで、通常3〜6ヶ月程度かかります。ただし、中退共のような既存の制度を利用する場合は、1〜2ヶ月で導入可能なケースもあります。