
制度の仕組み
YUKINつみたてDBプラン(以下、YUKIN)は、「ゆうきん企業年金基金(厚生労働大臣認可番号:関基第016771号)」により運営される確定給付企業年金制度のサービス名称です。ゆうきん企業年金基金は、「選択制」に対応する数少ない確定給付企業年金基金として、2022年4月1日に設立されました。
ここでは、YUKINの制度の仕組みについて、解説します。
目次
制度全体の流れ

1 従業員による加入申請
まず、従業員が会社に退職金として積み立てたい金額(掛金額)を申し出るところから始まります。この金額は、給与天引きなどの方法で会社を通じて拠出されます。
2 基金への拠出と資産運用
会社は、従業員から申し出があった金額を、ゆうきん企業年金基金に拠出します。 ゆうきん企業年金基金では、集まった掛金を第一生命保険株式会社と日本生命保険相互会社が提供する「一般勘定契約」に基づき運用しています。 一般勘定契約は、元本が保証されるだけでなく、毎年一定の保証利回りが設定されているのが特徴です。この仕組みにより、従業員の積立金は安全に着実に増えていきます。
3 積立金の受け取り
従業員が退職や休職などで基金の加入者資格を失った場合、それまでの積立金を以下のいずれかの方法で受け取ることができます。
- 脱退一時金として現金で受け取る
- iDeCo(個人型確定拠出年金)へ積立金を移換し、引き続き運用を続ける
- 転職先の企業年金制度へ積立金を移換し、引き続き運用を続ける
- 企業年金連合会へ積立金を移換し、将来、生涯年金として受け取る
これらの選択肢があることで、ライフプランに合わせて柔軟に対応できます。
なお、休職による加入者資格喪失の場合、脱退一時金等を受け取らず、復職時に積み立てを再開する(繰り下げ手続き)ことも可能です。
制度の仕組み

1 選択給(前払退職金手当)を新設
賃金規程の改定し、前払退職金手当である「選択給」を新設します。これにより、従業員が退職金として積み立てることのできる掛金の限度額が設定されます。
2 従業員による積み立て掛金の申請
従業員は、制度関連規程に基づき、定められた申請期間内に、選択給の範囲内で、退職金として積み立てる金額(掛金)を会社に申し出ることができます。
3 企業年金基金への拠出
会社は、従業員から申し出のあった掛金をゆうきん企業年金基金へ拠出します。この掛金は「事業主掛金」として、会社が毎月「福利厚生費」として費用計上します。
4 選択給から差し引かれた給与の支給
従業員が選択給の範囲内で申し出た掛金は、企業年金基金に拠出されます。一方、選択給から掛金を差し引いた金額は、給与として支給されます。
例: 選択給が6万円で、そのうち2万円を掛金として申し出た場合、差額の4万円が給与として支払われます。
この仕組みにより、実質的には「制度導入前の給与から掛金を差し引いた金額」が、従業員に支払われる給与となります。
なお、税金や社会保険料の算定対象となるのは、掛金を差し引いた後の給与額です。したがって、積み立てた掛金に相当する金額には、税金や社会保険料はかかりません。この点は、本制度の大きなメリットともいえます。
ゆうきん企業年金基金概要
企業年金基金名称 | ゆうきん企業年金基金 |
根拠法 | 確定給付企業年金法 |
厚生労働大臣認可日 | 2022年4月1日 |
監督官庁 / 認可番号 | 関東信越厚生局 / 関基第016771号 |
導入事業所数 | 約100社 |
制度対象者数 | 20,000名+ |
加入者数 | 約5,400名 |
平均加入率 | 約40% |
年金資産 | 20億円+ |
所在地 | 東京都台東区台東1-24-9 ブライト秋葉原4階 |
基金ホームページ | https://yu-kin.jp/ |